外なる敵(新型コロナウイルス)と内なる味方(免疫細胞) ~山﨑正利先生よりメッセージ~

山﨑先生メッセージ

 

長年に渡り、ヘルバ予防医学研究会の学術顧問をお勤めいただいてる山﨑正利先生は、感染症や免疫機構に関わる研究をご専門とされています。

長引くコロナ禍、私たちができることについて、山﨑先生からメッセージをいただきました。

 

外なる敵(新型コロナウイルス)と内なる味方(免疫細胞)

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。

何回となく押し寄せる新型コロナの波の中、ご不自由かつご不安な毎日を送られていると思います。

過去のウイルス感染症の歴史を見ると、時と共に毒性が弱まり、次第に終息、共存という経過をたどると思いますが、まだしばらく時間がかかると思われます。それまでは、外なる敵(ウイルス)を減らし、内なる味方(免疫力)を増やし強くすることです。

 

今から約20年前に、中国で重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生し、主に東南アジアに広まり多数の死者を出しました。原因は、当時新型とされたコロナウイルス(ウイルス名SARS-CoV)であることが突き止められました。今回流行している新型コロナウイルスは、当時の新型コロナウイルスに類似した2番目のウイルスのため、SARS-CoV-2と呼ばれています(今回の疾患名はCOVID-19)。さらに最近では、この新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の様々な変異体が発生しています。

 

あまり知られていませんが、示唆に富む20年前の面白い臨床デ-タがあります。

当時ベトナムでもこのSARSウイルス(SARS-CoV)が流行りましたが、患者さんのいた病院では、院内感染を防ぐための陰圧室が無いため、窓を開放しっぱなしにして病室の換気を行ったそうです。その結果、院内感染は見事に抑えられたそうです。

 

感染を防ぐために、3密(密閉、密集、密接)を避ける、手指の消毒、マスク、換気などが推奨されていますが、最近ウイルス感染症の専門家からは、「新型コロナは主に空気を介した感染であり、手指の消毒よりマスクや換気の方がはるかに重要である」という声明が出されています。これは過去のベトナムの事例からも納得できると思います。こまめな換気によって、外なる敵(ウイルス)の量を減らすことが大切なようです。

 

そしてもう一つ大切なのが、内なる味方(免疫力)を増やし強くすることです。現在進行しているワクチン接種も、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して強力な免疫力を付与することができます。

しかしながら最近では、ワクチン接種者の感染(ブレイクスル-感染)や3回目の接種の必要性なども話題になっています。ワクチンは大変有用ですが、完全ではありません。どうしてでしょうか。

 

新型コロナ感染症に罹るか否かは、ウイルス量の多寡と体の免疫力の強弱とのバランスで決まります。自分の免疫力は自覚することができませんが、無理をしたとき、不養生したとき、体調がすぐれないとき、ストレスが多いときなどは確実に低下しています。

 

ウイルスなどの外敵に立ち向かう免疫には、自然免疫(主にマクロファ-ジなどの食細胞が関与)と獲得免疫(抗体やリンパ球が関与し免疫学的記憶を作る)があります。外敵には、「最初に自然免疫が応答」し、「感染 1 ~ 2 週間後に獲得免疫が始動」、「最終的に免疫学的記憶(コロナに対する抵抗性)が成立」します。未知の病原体である新型コロナウイルスといえども、私たちの身体はまず自然免疫で防御し、さらに獲得免疫へバトンタッチします。ワクチンを接種すれば、新型コロナウイルスに対する獲得免疫を効率よく得ることができます。

 

この大切な免疫システムは、食べ物により日々大きく影響を受けています。ワクチンをいくら接種しても、免疫細胞がしっかりしていなければ、ウイルスに対する免疫能を獲得、維持することができません。

従って、日々の食事はもちろん、バランス良く構成され、体の防御力を高める栄養食品は、自然免疫と獲得免疫の獲得、維持、さらにはウイルスや炎症で傷んだ細胞の修復にも大きな働きをすると考えられます。

 

身体を構成しているタンパク質などの物質や細胞、組織、臓器は、日々壊され、新しく作られています。このスクラップ&ビルド(代謝回転、動的平衡)が正常に行われることによって、免疫力や健康が維持されています。このシステムが効率よく動くためには、適切な素材の補給が欠かせません。

どんなにすばらしい最先端の医療やワクチン接種が行われるにしても、食は私達のからだ、健康、免疫力を支える基本です。なぜなら体に取り入れた成分は、細胞の遺伝子の働きまで制御するからです。

急速に高齢化社会をむかえた日本では、高齢者の低栄養や偏食も問題になっています。低栄養や偏食は、いわゆるフレイル状態(運動機能や認知機能等の心身の活力が低下し、生活機能も障害され、体の脆弱性が認められる状態)を招き、体の防御能力(免疫力)も低下してしまいます。従ってフレイル状態では、感染症にもかかりやすく、回復も遅くなります。

このようなフレイル状態にならないよう、健康の維持や病気の予防を目指し、ヘルバ製品と共に自信を持ってこの困難な時期を乗り越えたいものです。

 

山﨑先生が監修されたヘルバの免疫系への影響に関する検証はこちら>>

 

 

山﨑 正利先生プロフィール

薬学博士 / 帝京大学薬学部 名誉教授 東京大学薬学部卒業 / 同大学院卒業・薬学博士同大学助手、米国国立がん研究所・客員研究員(文部省 研究員)、帝京大学薬学部就任とともに、熊本大学医学部講師・東京大学薬学部講師・京都大学薬学部 講師など歴任後、帝京大学教授就任。

 

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