医学博士 佐藤喜宣先生 杏林大学医学部/主任教授

研究/法医学全般にわたる研究で、多発する乳幼児及び成人の突然死、薬物乱用の現状と対策、AIDSの感染防止、アルコール、薬物と遺伝、DNA検査の法医・法科学の応用、脳死と臓器移植、大災害時の法医・法科学など。

高齢者社会で大切な健康管理…

21世紀の医学目標は、ますます高齢化する社会において、いかに健康で快適な生活を人々に提供できるかにかかっていて、従来の医療(対症療法)から、予防医学に重点が置かれています。 つまり、日常の生活の中で日々健康を維持して、病気にかかり難い生活習慣やライフスタイルをいかに大切にしていくかということになります。
しかし、健康な長寿は、一人ひとりの健康に対する知識と努力が大切で、国の政策を待っていては、どうしても手にすることは出来ませんので、民間や個人の自発的啓蒙運動が最も重要となるでしょう。

突然死の多くが食生活とライフスタイル

法医学の立場から、自殺や外因死(事故など)を除く成人の突然死を見ると、3大死因は心疾患(心不全)、脳血管障害(脳卒中)アルコール性肝障害の順です。いずれも食生活に問題があったり、喫煙や飲酒などのライフスタイルに加え、環境ストレスなどが主な原因とみられます。

知識は健康の第一歩

突然死した人々の生活史を調べていくと、全般的に健康に関する知識が乏しく、食事や栄養に対して、無頓着であった人が多く、逆に高ビタミン食や高蛋白質などを摂取している人は当然のことながら、栄養に関する知識が豊富で突然死がほとんど見られないという結果が得られています。 このことは、日々の栄養のバランスこそが、人間の健康を左右する最も重要な鍵であることを、裏づけているものと考えられます。

大切な予防医学とそのネットワーク…

そこで、個々の家庭で今できることは、栄養のバランスによる自己管理と言えるのではないでしょうか。
栄養バランスによる自己管理とは、正しく予防医学的な知識を持つ専門家のアドバイスと、優良な栄養バランス食品の双方が必要となってきます。
したがって、生活者は専門家や優良な栄養バランス食品の提供者との円滑な知識・情報ネットワークを構築する必要があります。このネットワークがつくられるとともに理想的な予防医学の実践が可能になり、身近なものとなってくると確信します。ヘルバ予防医学研究会の基本テーマは、真に上記のネットワークを包括するもので我が国における先駆者的存在になるものと考えられます。

概略プロフィール

昭和50年日本大学医学部卒業/54年同大学院卒業・医学博士
その後、イタリア政府留学生としてローマ大学法医学研究所に留学。57年琉球大学医学部助教授就任とともに、日本大学医学部講師・東京都監察医務院医長監識医、杏林大学医学部講師など歴任後、62年杏林大学医学部主任教授として現在に至る。
その他/日本大学医学部講師、日本医科大学講師、警視庁法医監識医、東京都監察医務院監察医、明治学院大学法学部講師、厚生省進審議会委員、日本法医学会評議員、日本アルコール・薬物医学会理事、日本交通科学協議会評議員など歴任。又、日本病理学会、日本中毒学会、日本生命倫理学会、TIAFT(国際法医・法科学学会)など所属。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
著書/「臨床のための法医学」「法医学の試験問題と解説」など多数。

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